医者もアウトソーシングする時代

興味深い記事があったので転載&ひとこと

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100406-OYT1T00656.htm

医師不足などの影響で、患者の検査画像の診断をインターネットを利用して
>外部に依頼する医療機関が増えるなか、一部では格安サービスをうたい
>中国の医師への委託も始まっている。


>こういった仕組みは遠隔画像診断と呼ばれ、病院や診療所で撮った
>CT(コンピューター断層撮影法)やMRI(磁気共鳴画像)の画像を、
放射線科医のいる施設などに送り、報告書を返信してもらう。
>CTなどの診断を外部に依頼した場合、日本国内では
>1件当たり3000円前後が相場なのに対し、700〜900円で請け負う。
>結果は日本語に翻訳された報告書で依頼した医療機関に返送される。


>現在は総合病院や診療所など8施設と契約して、月約800件を中国側に依頼。
>吉村英明社長は「契約している中国人放射線科医は約15人おり、
>診断力はあらかじめテストしている。ただし、日本の医師免許はないため、
>『参考所見』という位置づけ」と話す。
厚生労働省医事課は「最終的な診断は依頼した日本の医師が下すとすれば、
医師法に触れるとは言えない」との見解だ。


「最終的なチェックは日本人がしますよ」って書いてありますが
これからの世の中の流れとしては、いままで日本の放射線科のお医者さんが
担当していた画像診断という仕事は、世界中のお医者さんの仕事になりますよ。


ってことですね。これはイノベーションなのか。それぞれの立場から見てみましょう。


放射線科の先生にとっては仕事が奪われて、たまったもんじゃないですね。


病院としては、包括医療が導入され、医療コストの問題が顕在化してきていて
コストを抑えられるというメリットがあります。一方で、外国人医師に
画像診断を依頼することで、評判が悪くなってしまうリスクを抱えていますが、
いずれ外国人医師に画像診断を依頼するのが当たり前の時代が来たら悪くない話ですね。


患者さんとしては、
「医療の質が落ちる(仮説)」というデメリットを被る可能性がありますね。
まぁ、あくまでこれは仮説ですが。
(遠隔画像診断の過程で、翻訳ミスがあったり、中国医師の質が低かったら確かにそう)


これからは、医師も単純作業はアウトソーシングされ、
特別なスキルを持った人たちだけが生き残る時代になりそうですね。


医学生としては、自分の将来を守るという意味で、こういう視点からも
将来の志望科を決めていく必要がありそうですね。
もちろんどんな困難が待っていようと、自分のやりたい科に進むのが一番幸せですが。